夏休みも間近に迫ってきました。毎年起こる水の事故など万が一に備え、芦屋市消防本部より講師をお招きし、心肺蘇生法やAEDの使い方など応急手当の方法を学びました。いざという時、救急車が到着するまでの数分間にできる行動を知る良い機会となりました。
119番通報から救急車が到着するまでの時間は、9分間と言われています。芦屋市の救急車は4台。早ければ6分で到着する場合もあるそうですが、年間何千回もの救急搬送があり到着まで数分間がその方の「社会復帰」に大きく影響するとのこと。
心肺停止から3分以上経つと、脳へのダメージ等により何らかの後遺症がのこるため、周囲の人の対応が明暗を分けることも…
まずは「胸部圧迫30回」と「人工呼吸2回」のレクチャーを受け、参加者一人ずつ体験させていただきました。皆さん、真剣に実習されて熱心に質問をされていました。
より多くの方に知っていただくことで、救える命があります。
芦屋市消防本部の方より掲載の許可をいただき、資料を掲載させていただきます。
参加者からの質問への答えなど、細かいレクチャー内容をメモとして添えさせていただきます。
本ホームページのトップページにも「心肺蘇生法」のレクチャー動画をアップしていますので、どうぞご覧ください。
レクチャー資料;「心肺蘇生法とAEDの使用法」
*溺れるなど水の事故の場合は、一旦引き上げてから安静にできる場所へ移動します。プー ルサイドなど濡れた場所ならバスタオルを敷いてその上に寝かせます。
*水を飲んでいる場合も、胸部圧迫することで吐き出すケースが多いとのこと。
*AED使用の前には必ず体幹の水は拭き取り、感電に注意します。
*大人が入浴中に意識を失うなどの場合は、引き上げるのが難しいことも多く、救急車を呼 ぶ前に、溺れないようお風呂の栓を抜いてください。
*小児の胸部圧迫は、片手でもOK。体の厚みの1/3ほど押します。乳児の場合は、抱っこし た状態で人差し指と中指2本で押します。押す位置は、両乳頭の真ん中の少し下を人差し 指+その下を中指で押します。
*胸部圧迫と人工呼吸は同時に行わず、交互に行います。
*枕をしている場合は、気道確保のため肩甲骨あたりに敷くか外して行います。
*嘔吐の可能性もあるので、顔は手当てする人の方へ向けて行います。
【重要】人工呼吸を行えない場合も、酸素化された血液を循環させるため胸部圧迫だけは必ず続けます!
胸部圧迫をやめるのは、
① 痛そう・唸り声・手足を動かした時
② 救急車が到着した時 のみ。
*AED=自動体外式除細動器。心臓が”心室細動”(小刻みに動いている状態)時のみ作動し ます。電気ショックの必要性はAEDが判断するため、誤作動で心停止することはないとの こと。
*電極パッド(2枚セット)は、大人用と小児用(幼稚園児以下)があります。小児用パッ ドは電流が弱いため大人には使用できません。
貼る時は、2枚を重ねないよう注意。小児以下の小さいお子さんの場合は、胸と背中で使 用するのもOK。出血のひどい傷があるようなら、避けて使用します。
*AED使用後に意識が戻ったり起き上がる場合も、状況が変化することもあるため、一度貼 ったパッドは剥がさず、電源も入れたまま救急車を待ちます。
*山手小学校のAEDは、正面玄関の柱に設置されています。
レクチャー資料;「熱中症の応急手当」「出血時の止血法」
レクチャー資料;「やけどの応急手当」「気道異物の除去」
緊急事態に対処できる方法を知っていることは、大切な人を守るための財産です。実習とわかっていても、人形を前にするだけでも、一瞬頭が真っ白になります。機会をみつけてぜひ体験されてみてください。
これからの季節、水分・塩分補給を意識ながら、ご家族や周囲で声をかけあって健やかに過ごせますように…
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